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初春大歌舞伎を観た。

 
    初春大歌舞伎を観た。     
    令和2年1月11日(土)
                               
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  • 正月で藤沢に帰っていた娘が「たまには歌舞伎に付き合ってあげようかなぁ~」と言った。じじいは「別に付き合ってくれなくてもいい」とは思いながらも「歌舞伎座で会おう」とチケットを手渡していた。

    じじいと出かける時は「こんな時こそ」との魂胆があるらしい。銀座三越前で待ち合わせすると、黙って先に立って歩きだし「お父さんは少し小ぶりの弁当がいいわね」と勝手に注文した。自分のはどうするのかと思ったら、地下3階に誘導してマグロの寿司とカップ酒を買い、さらにおやつだとフルーツケーキまで買い込んでいる。

    夜の部の幕開けは「義経腰越状」であった。近頃物忘れが多くなったが、この外題も初見だと思う。始まりは緩やかな展開だったから、近くの若い外国人男女が心なしか退屈そうなのが気になった。しかし、五斗兵衛が泥酔して三番叟を踊り出す動きを楽しんでいたのを見て安心した。

    つづくは、澤瀉十種の内の「連獅子」だった。親獅子を猿之助で、仔獅子を團子が演じていた。連獅子なら歌舞伎ファンは喜ぶに違いないが、なんと今夜はこれも初めて見たが二畳台を3枚も使っていた。1枚増えることで、新し連獅子になるのも面白かった。

    最後は「鰯賣戀曳網」である。三島由紀夫の人情味あふれる喜劇に会場がわいた。娘が「今夜は七之助の傾城蛍火が観たいから来た」と身を乗り出さんばかりであった。勘九郎の鰯賣猿源氏との台詞回しは、息がぴったりだが「兄弟だから当たり前」とは言い切れない。娘が歌舞伎好きになるのも嬉しいじじいであった。

    幕間に「これ覚えている。お父さんが20歳の誕生日に御木本で買ってくれたんだよ」と言った。さらに「お母さんのプレゼントのイヤリングと首飾りも大事に使っています」と重ねてきた。家に帰る電車の中で「そうか、娘の誕生日は4月だった」と思い出していた。

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