「園児と仏像彫り」（６）

 　「園児と仏像彫り」（６）
　

　　　　　令和５年６月１９日（月）　

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• 仏像彫りの準備をしてくださる先生がシートを出していた時に、「集まってきた園児たちが『今日はお地蔵さんの先生が来るんだよね！』と語りかけて来ましたよ」と報告してくれた。
  
  じじいが道具を出していると、たちまち園児に囲まれて、わいわいガヤガヤとお喋りが始まった。するとひとりの園児が、じじいの彫っている地蔵のポーズを真似て、合掌した小さな手を頬にして小首を傾げた。なんとなんと、それを見た他の園児たちも、まるで打ち合わせでもしたかのように、一斉に地蔵ポーズをしたのである。
  
  そこで近づいて来た隆理事長に｢開眼供養の日に、地蔵を囲んで園児たちが『地蔵合掌ポーズ』をしている写真を撮りたいね！｣と話してみた。すると理事長が｢それはいいですね！。できたら、その写真を引き伸して、園児たちにあげたら喜びますよね｣とだんだん話が大きく膨らんでゆくのも楽しいのである。
  
  園児たちが園庭に散らばって先生方と楽しそうに遊んでいる。じじいも作業が捗り始めた時に、この時間を待っていたかのようにひとりの女子園児が近づいて来て話し掛けてきた。その子は言葉の合間に「りえはね。」と自分の名前を織り込みながら話すのであった。「りえはね。虫を捕まえたの～。いろんな勉強が好きなの～。昨日もママに褒められたんだよ」とポツリポツリといろんな話を語りだした。じじいの娘も「理恵だから」というのでもないが、こんな風に「幼いころに娘の話をじっくり聞いてあげればよかった」と悔いていた。
  
  園児と同じランチをいただいて、その園児のお昼寝の時間を邪魔しないように、大きな音をたてないように地蔵彫りの作業をつづけた。いつの間にか午後の作業にも夢中になったからだろうか、あっという間に作業終了の午後３時となった。そろそろ帰ろうとしていると「園長先生が職員室に来てください」との伝言があった。
  
  何ごとかと思って職員室に入ると、なんと突然大きな花束の贈呈があった。じじいがビックリすると「これは奥さまへのプレゼントです」とおっしゃる。またまたじじいはビックリしながら「なんか地蔵彫りが今日で最終日みたいですが、もう一度来たいのですが・・・」と小声で言った。さらに園長先生から、これも妻への土産と言いながら「園児用の『そぼろご飯』と、おやつのドーナツ」までいただいた。
  
  何時ものように理事長と車中の会話を楽しんでマンションに着くと、理事長がドアを開けながら「奥さんと召し上がってください」と大好物の鰻弁当をいただいた。「園児の前で仏像彫り」という至福の時間だけで満足しているのに、こんなにみなさんから気遣っていただくと、いくら図々しいじじいでもいささか恐縮してしまうのであった。
  
  
  
  　　　　
  
  
  
  

コメント 1

そんなに一杯お祝いされてどんなお礼をされたのですか。
有難うございます。
by lamer75 (2023-06-27 19:17)