SSブログ
湘南にも秋の風 ブログトップ
前の1件 | -

湘南にも秋の風 【1】  [湘南にも秋の風]

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  湘南にも秋の風  
鵠沼海岸コースの①

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  • 生け垣から通路にまで垂れ下がっている柿の実は、いつの間にか黄色く色づいています。

     厳しい残暑も秋雨前線に押し戻されて、昨日からはようやくしのぎやすくなりました。なんといっても今年の暑さは異状でありました。
     ですから、体力維持と突き出した腹をへこませようと始めた自転車散歩も開店休業状態でした。

     その結果、愛車の自転車のスポークやハンドルには赤錆が目だっています。久しぶりにタイヤに空気を入れて、油を注して錆を落としてやるとどうにか走ってくれそうになりました。

     愛車の前籠に愛犬チワワを乗せて(9月24日)国道1号線に入ります。この道は、新春恒例の箱根大学駅伝の走行コースとなっています。
     西の箱根方面に向かって数キロも走ると、藤沢警察署が見えてきます。この警察署を左に曲がり、稲荷橋を越えて松波の交差点で134号線に突き当たります。

     このあたりの街路樹の百日紅は暑い夏を燃えるように咲いていましたが、今日は夏の季節の終幕をつげています。今日の私は、その警察署前を左の箱根方面に道を取ります。
     500mほど走り、やがて藤沢市を流れる2本の川の一つである大和市を水源とする引地川に架かる橋に出ます。
     
     駅伝コースはそのまま西に向かいますが、私は富士見橋を渡ってすぐに左に曲がります。ここからは引地川沿いの右岸に、「藤沢大和自転車道」が設けられています。
     4mほどの舗装されたサイクリング道路が、よく手入れされた木々の間を右に左にとゆるいカーブとなっています。遊歩道も左右の護岸に設けられています。

     そのサイクリング道路の隣が自動車道ですが、その奥には「長久保都市緑化植物園」があります。温室もあり広場も池も流れもあり、さまざまな四季の花と木々の緑に癒されます。
     時々は妻と植木市をのぞきに訪れます。春の楽しみであるお花見は大庭城跡公園の桜を堪能したあとで、もう一度引地川の川面に映る桜を楽しみ、終わりはこの植物園の長久保桜を観てから帰るのを恒例としています。

     数日前に上流で降った雨のためでしょうか、今日は普段よりも水量が多いようです。この付近は洪水被害が多発したと聞いています。
     そこで引地川の両岸は立派な護岸で守られているのです。この辺りでは、川の反対側に幅3mほどの河川敷があるのです。

     護岸から河川敷に降りられるようになっていて植えたものか、それとも種が流れ着いて大きく成長したのか分からないが、数種類の木々が枝を伸ばして緑陰を形成しています。

     ここだけは鳥たちのオアシスになっているのです。いつもならアヒルや鴨、鷺やガチョウのような大きな鳥も泳いでいます。近所の人たちが餌付けをしているのかも知れません。
     時々はパンの耳を投げ入れている子どもたちも見ます。でも今日は一羽の鳥もいないのは、河川敷の縁に迫る水の多さと、はやい流れのためにどこかに避難しているからだろうか、それともどこかの田圃に餌を取りに行ったのであろうか一羽もいないのです。

     ところがその鳥たちに代わって、幼稚園ぐらいの男の子2人と両親、おまけに祖父らしき人の合計5人の人たちが河川敷にいるのです。そのうえ全員がビニール袋を持って、河川敷の木の下で何かを拾っては袋に入れているのです。

     なんだろうとしばらく見ていましたが、どうも木から落ちた種子らしきものを拾っているように見えるのです。
     でも正確なことは分かりません。反対側の河川敷にいる人たちに、「何を拾っているのですか」と何度も声をかけようとしましたが、ようやく思いとどまりました。楽しみは後に残そうと、次の散歩の時までの宿題としたのです。

     やがて左手に「八部球場」が見えてきました。7月の暑い盛りには、あの甲子園をめざした高校球児たちを応援する声がこだましていましたが、いまはひっそりしています。
     あのうるさく鳴いていたクマゼミやアブラゼミに代わって、このサイクリング道路にも秋の虫の声が聞こえています。

     このサイクリング道路では、今日もたくさんの人たちに出会います。真っ黒に日焼けしてリュックサックを背負った人もいます。犬と散歩をする人にも出会います。
     老人も若者も妊産婦の人たちも、ようやく涼しくなった川沿いの散歩を楽しんでいます。

     引地川は左に大きく曲がったところで、今日の4つ目の橋となる稲荷橋のたもとの信号を右に曲がります。ここで藤沢警察署前で別れた道と合流して国道134号線に突き当たります。

     そこをいつものように「湘南海のちか道」と書いてある地下道に自転車を乗り入れました。ここを出るともう辻堂西海岸の海が見えてきます、
     勢い込んで<色とりどりのタイルで化粧された地下道のゆるい坂道を下がってまた上ります。上り終わったところで道は左右に分かれます。

     その出口で私は自転車に跨りながらしばらく考えました。さてこのまま道を右にとって、片道10kmを走って相模川河口の柳島まで行ってみようか、それとも久しぶりの自転車散歩だからあまり無理をしないようにして鵠沼海岸コースを取ろうかと迷っていたのです。
     
     やがて、「そうだ江の島を見て帰りろう」とハンドルを右に切りました。

前の1件 | - 湘南にも秋の風 ブログトップ