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亀三郎・眞秀くんが、かわいくて!

          
  亀三郎・眞秀くんが、かわいくて!

      令和元年10月5日(土)
                               
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  • 10月だというのに茹だるような暑さである。今月の歌舞伎座は「芸術祭十月大歌舞伎」と銘打って、昼の部では梅枝・扇雀・巳之助の演ずる舞踊「廓三番叟」から幕があがった。

    つづく「御摂勧進帳」では、松緑・愛之助・彦三郎らの演ずる荒事を楽しんだ。三番目の出し物は愛之助が5役を早替りで演じ分けるという「蜘蛛絲梓弦」を楽しんだ。昼の部最後の出し物「江戸育お祭佐七」が始まると、妻が「今月はどの芝居にも舞踊があって楽しい・・・」と喜んでいる。

    見どころの多い十月大歌舞伎だったが、じじいとばばあの目は名演技の菊五郎・愛之助・扇雀や松也・時蔵丈ではなかった。あの「江戸育お祭佐七』の一場に登場した踊りの勘平役の眞秀くんと、踊りのお軽役の亀三郎くんからもう目が離せなくなっていた。

    桟敷席からは遮るものがないから舞台全体が手に取るようによく見える。しかし、悲しいかな白内障のじじいには、裸眼ではとても役者の表情を見ることができないのである。そんなこともあって珍しくオペラグラスを持参していた。そのグラスの焦点を合わせると、なんと目の前に可愛く踊る眞秀と亀三郎が飛び込んできた。そうなると、もうグラスから目が離せなくなる。

    しばらく見とれていたが、舞台で2人の周囲を取り巻く大人たちにグラスを回して驚いた。芝居をしているはずの群がる大人たちの目は、他の芝居なら「見ていても見ていない目」をしているはずである。しかし、今日の舞台の大人たちの表情と目は今までに見たことがない。それだけではない、それらの人たちの目はもうすっかり自分の芝居も忘れて、まるで親姉弟が我が子を見るような慈しむ眼差しで眞秀と亀三郎の演技に魅せられていたようにみえたのである。

    じじいとばばあには、こんな歌舞伎の楽しみ方があってもよいと思っていた。

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