SSブログ

こんな芝居もあったのだ!

  こんな芝居もあったのだ!
       令和元年9月29日(日)                               
      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  • 「はじめてを探さなくちゃ」 ~もう1度、ママにラヴレター~

    9月29日、小田急線東海大学駅前のタウンニュースホールでの公演は満席大盛況であった。今だから言えるが、2019年5月12日に卓郎くんから「一人芝居用脚本」が届き、その文末に「なお、うちの奥さんには内緒なのでSNS等の情報告知はまだオフレコでお願いします」と書かれていた。脚本を読みながら、この卓郎のユリさんへの深い思いと、献身的に支えてくれたユリさんへの懺悔の念の綴られているのを感じていた。

    それにしても、この卓郎の脚本原本を長い時間じじいの手元に温めておくわけにもゆかないだろうと、5月18日にいささか舌足らずの感想・意見を送信した。

      ~~~~~~

    卓郎さま

    ざっと読ませてもらいました。
    そして「個々の人生なんて、他人から見ればちっぽけで平凡なものだ。しかし、当人にしてみれば世界中の波瀾万丈を一手に引き受けたような壮大なドラマである」と思っています。このシナリオの主人公ユリさんの健気でやさしく、そして明るく生きようとする態度には心打たれます。その旦那のユリさんを思い慕う心は読み手に痛いほどに、これでもかと伝わってきます。

    そして、この芝居が舞台に乗った時に「観客はどう感ずるだろうか」と思い巡らしながら読み返してみました。そしてこれは、卓郎の「妻ユリさんへのラブレターだ」と思いました。これはこれで、お二人には大きな事件で大きなドラマだとは思います。でも舞台にのせるより「妻ユリへのラブレター」として、そっと読みたい読者でいたいとも思いました。

    その一方で、演出家がどんな舞台にするのか楽しみでもあります。

    MIZUKOSHI

      ~~~~~~~

    と返事を書いた。

    この公演の前日、仏像の展示会で草臥れていたじじいに好恭くんは「明日、11時に迎えに行きます。昼飯でも食べて卓郎とユリさんの芝居に会いにゆきましょう」とのメールが届いた。この好恭と卓郎は高等部1年次からの付き合いであった。卒業後40数年の波瀾万丈の人生を、共に笑い・怒り・慰め・励まし・助け合って生きてきた仲でもあった。

    そんな幾多の苦労をしてきたからであろうか、こんな老いぼれじじいにも好恭はやさしいのである。数年も音沙汰がなくても、じじいが大病でもしようものなら、どこかで聞きつけて還暦過ぎの同級生を呼び集めて駆け付けて来るのである。こんな仲間意識の強い連中だからこそ、この卓郎ドラマは生まれるべくして生まれてきたのであろう。

    この公演のチラシに印刷されている「還暦を越えて、これから穏やかな 二人の時間がはじまると思った時・・。」と書かれた卓郎&ユリのドラマの幕開けは、昨日の公演で幕が下りたのではない。これからがほんとうの「二人の思い遣り慈しむ物語」として長く長く書き続けられることであろう。

       ~~~~~~~

    29日 は、お忙しい中 本当に有難うございました。
    私はなんの取り柄もなく こんな日を迎えるなんて 夢のようでした[ぴかぴか(新しい)]
    だから 戸惑いだらけで、皆さまに

    失礼な 対応をしてしまい 申し訳ありませんでした
    心からの感謝を お伝えしたい それだけです。
    有難うございます
    先生 これからも お元気で 人生のアドバイスを 宜しくお願いいたします「生意気お許し下さい
      (卓郎)

      ・・・・

    じじいは舞台と一緒に観客の様子を見ていました。だれもが聞き逃すまい・見逃さないと舞台に集中していました。この種の芝居も何度か観ていますが、この日のように「主演桃子とユリを重ねて、まるで親戚の者を見るようにやさしい眼差し」で舞台に食いつく観客を初めてみました。

    舞台が跳ねて観客のある女性が「喋り方も動きもにユリさんに似ていたね!」という声が聞こえてきました。おそらくユリさんの古い友人だったかも知れません。やがて卓郎の同級生たちがじじいの周囲に集まりました。


    すると一人が「〇〇は泣いていたよなぁ~」と隣の男を冷やかした。すると彼は否定もせずに「それにしてもユリさんに、そっくりだったよね!」と呟いた。卓郎の同級生のはずなのに、その卓郎の話題よりもユリファンだらけの会話だった。これがこの夫婦の幸せの源泉だった。

    桃子さんがユリさんを演じてくれたから、もうじじいからの言葉も蛇足だがユリさんの人柄が周りをやさしくしている」とだけ言っておきたい。

    ありがとう。  
    (筆者)



           71862664_2617260078297446_8672751345402380288_n.jpg


nice!(4)  コメント(0)