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「猿若祭二月大歌舞伎」ー昼の部ー [令和6年 (2024)]



 「猿若祭二月大歌舞伎」ー昼の部ー
 
        令和6年2月3日(土)
   
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  • 寒い。今夜は雪もちらつくかも知れないという。でも、東海道線車中は暖かで、ついうとうとしてしまう。このうとうとは春が近いからだろうか。そして、そのうとうとしながら「こうしていつまで歌舞伎通いができるんだろう」と漠然と考えていた。

    老いて身体も、若い頃のように思うようにはゆかなくなった。あちこち身体の部品が劣化してきたが、もう自力再生力はない。でも「嘆いたり悲しんだりしている」のではない。ただ「あるがままを受け入れている」と言いたい。

    今月は「十八世中村勘三郎十三回忌追善」とあるだけに、勘三郎ゆかりの出し物が多い。昼の部は、せつない女心を描いた世話物「新版歌祭文・野崎村」、醜女の愛らしさとおかしみ溢れる舞踊劇「釣女」、吉原で起きた衝撃的な人間模様を描いた「籠釣瓶花街酔醒」の三作だった。

    近頃は、うとうとしながら歌舞伎を観ていることが多くなった。言い訳ではないが、どの出し物もおおよその梗概が分かっているからということもある。これはだいぶ前の話だが、前の席の2人の老婆が楽しそうにお喋りしていた。ところが芝居の幕が上がると2人揃って船を漕ぎ始めた。おそらく「お2人は歌舞伎座まで来るだけで疲れてしまったのだろう」と思っていた。

    ところがところが、この2人の婆様は芝居の山場にさしかかると、突然パッと目を開いて食い入るように役者の動きを目で追っていた。じじいも、その婆さまたちの域にようやく到達できたかと「ちよっとだけ」嬉しくなった。今日も今日とて、じじいはうとうとがやまらない。頭がガクンと落ちたから目が覚めた。思わず「もしかしたら鼾をかいていたのでは?」と細目開けて左右を見た。

    幕間は、明子さんの用意してくれたサンドイッチを頬張りながら介護体験談を聞いた。じじいは満腹と言いながら、勧められるままにフルーツゼリーもぺろりと食べた。帰り際に「先生夕ご飯は?」と聞かれて「じじいが作る」と応えた。すると「ここにお稲荷さんと恵方巻がありますから、奥さまと召し上がってください」と手渡された。今日は寒かったが、ウトウトできたし、夕食もいただいたし、なんとなく心までが暖かになった。

    ※思えば今日は2月3日の節分だった。歌舞伎座夜の部では「節分祭」の豆まきがあるという。歌舞伎座の入り口で「福豆」をいただいたから、妻の分と2袋をポケットに入れた。

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