「水温む」 [令和6年 (2024)]
「水温む」
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今年は暖冬というが、それでも朝夕は冷える。今日は仏像の稽古日だが、体力維持のために歩くことにした。徒歩の利点は、自転車だと見過ごしてしまうことに気づかされることだ。
あれぼど混み合っていた仏像教室も、老齢化現象とやらで今日は数名しかいない。だから早退けするのも気遣われるが、じじいは、会場までの「徒歩往復が目的」だからと「お先に失礼します」と稽古場を後にした。
片道歩いて2時間ばかり仏像彫りをしたからか、身体にエンジンがかかって温もっていた。市立保育園の角を曲がった植栽地には刈り込んだ数種の植木が植えられてある。通り過ぎようとしたが、植木の中に淡いピンク色が目について立ち止まる。近くによって覗き込むと、ほころび始めた梅の花が自己主張しているのが見えた。
やわらかな陽射しが境川の水を温めていた。いつもの習慣で橋の上から川面を覗き込む。もう鴨は北に帰ったのだろうか、水面に見慣れたつがいの鴨の姿はない。その時、その水面を掻き乱すようにふたつの黒い影が走った。
どうやら川鵜が小魚を追い立てたようだった。もしかしたら、このカワウが寒を切り裂いて、これから一日ごとに春が近づいて来るのだろうか。
2024-02-05 13:40
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