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「男の夜会」(白楽の巻)



  「男の夜会」(白楽の巻)
 
     令和5年6月23(金) 

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  • 前回は日吉で、今回の「男の夜会」は白楽だから、だんだん東急東横線で横浜に向かいつつあるようだ。その白楽の四川料理「福臨門」を予約してくれたのは、ご幼少の砌に白楽に住んでいたというW教授だった。

    じじいといえば、いつものように藤沢駅でY理事長と待ち合わせた。車中ではとりとめのない世間話をしながら、雨のそぼ降る白楽駅の改札口を出た。今から60数年前に、じじいの若かった時の職場の上司の家のあった高台を見上げた。だが、時の流れは虚しくもじじいの記憶を何処かに埋没させていた。

    神奈川大学生の下校時間と重なったが、Y理事長が「少し、この街を歩いてみましょう!」と言い出した。横町を抜けて、この街の憩いと生活臭の残るアーケードを歩いた。小雨も気にせずに白楽界隈を、そぞろ歩いて福臨門に着いた。まだ誰も来ていなかったが、程なくW教授とM病院長も合流して宴が始まった。

    四川料理コースが次々と出されて、熱いうちにとみんなは無言で食べる。W教授は「ゴルフコンペはよい天気でしたね。ぼくもゆきたかったなぁ~」と老酒を口にしながら口火を切った。フカヒレも美味いが、エビもシュウマイも旨い。さすが毎週のように家族で来ているという、W教授のお勧めの店である。

    すると「この街が気に入って住みたいと、10回も白楽の街を歩いた」というM病院長が語り出した。いつもは含蓄のある話題にじじいも思わず耳を傾けていた。ところがなんと「この店は麻婆豆腐が美味しいらしい!」と聞き慣れぬ話題から始まった。なるほど「住みたかったとのたまう御仁」の言うとおり、ここの麻婆豆腐は滅法旨く、山椒もピリピリと利いて絶品であった。

    いつものように、この席での話は訳あって書けないが、今宵は「マイナンバーカードから始まった話題は、コンピューターの翻訳作業の驚異的進歩、情報管理の杜撰さやお粗末さ、これらのICの急激な発達が、もしかしたらかつて見たこともない異常世界の現出を加速するのではないか」と危惧するなどと、およそ酒席に相応しくない話題となった。(笑)

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    この夜会には後日譚がある。翌朝の10時にじじいの携帯電話が鳴った。何事かと電話に出ると、昨夜藤沢駅で別れたY理事長が「今から行きますが、家におられますか」という。日頃お世話になっているからと、珍しく妻も挨拶に出るという。玄関に出ると、彼から妻へと「鎌倉名物のクルミッ子」が手渡された。これは昨晩Y理事長から、みんなへの土産として用意されたが、彼が家に忘れてきたので、それを今朝じじいにだけは届けてくれたらしい。

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