小田原散歩1(柏又の巻)
小田原散歩1(柏又の巻)
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昨年秋の「〇〇会ゴルフコンペ」で、正治くんが「今日の昼飯は小田原の『柏又』のウナギを食べに行きましょう」と誘ってくれた。しかし、コンペ中に抜け出して葉山から小田原を往復する時間の余裕がなかったので取りやめにした。そして今年の新年会の席で、再び正治が「暖かくなりましたら『柏又』にいきましょう」と誘ってくれた。
昨日(2月23日)、事前に約束してあった小田原駅11時23分着の電車に乗った。小田原駅改札口では、万葉研究の最後の受講者となった美枝子さんが迎えてくれた。その美枝子の案内で、小田原駅の西口ロータリーにある北条早雲公像の前で待機していた正治車に乗った。
朝まで「曇りだ」という予想に反して、暖かな日差しに包まれて小田原の街並みを抜けた。そして間もなく「柏又」に到着した。なんとここでも正治の気づかいだろうか、店の前には亡くなった佳哉くんの奥さんが出迎えてくれた。ぼくは「先に佳哉にお線香をあげさせてください」とお願いした。玄関には佳哉のお母さんもおられて仏間に案内してくださった。
ぼくに続いて正治・美枝子もお焼香させていただいたが、花の1本も持参しないことを佳哉にお詫びしながら合掌した。そしてしばらくは、在りし日の佳哉の特技であった「物真似(モノマネ)」のあれこれについて思い出話に花が咲いた。この「柏又」の歴史は古く、お店の案内にも、
小田原城跡公園の南、国道1号線近く。
黒板塀と木造二階建てのゆったりとした店構えです。
総理大臣・近衛文麿や三井財閥の大番頭で三井物産の創業者にして、近代茶の湯の大成者・益田鈍翁をはじめ、「電力の鬼」といわれた東京電力の松永安左ヱ門、作家の菊池寛など、各界で活躍された方々が足しげく通い、
今でも二代、三代と続けて尋ねる常連客が多いことで知られています。と書かれてあった。
ぼくは2階の座敷がお気に入りだったが、ぼくの足元の覚束なさを気遣ってくれてか椅子席に案内してくれた。まず出されたのは、大きな皿の上に雪のような衣を纏ったトマトであった。その大きさにようやく食べ終わると、それだけでもう満腹感を味わった。つづいて重箱の蓋を取ると、なんとか収まったウナギが重箱の中で窮屈そうにしていた。懐かしい、そして旨い。でも半分ほどで満腹した。するとお母さんが「このウナギをお包みしましょう」と、ぼくの大好物のイカの塩辛と一緒に手土産にしてくださった。
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