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「團十郎とぼたんと新之助」 [令和6年 (2024)]



 「團十郎とぼたんと新之助」
 
        令和6年1月7日(日)
   
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  • 飲み過ぎたわけでもないのに体調が思わしくない。でも久しぶりの新橋演舞場で、それも團十郎親子となると「こいつぁ~、どうにも観にゃ~なるめぇ~」と東海道線に飛び乗った。

    老老介護のじじいでは七草粥もままならぬ。仕方ないからスーパーで七種セットを買って誤魔化した。だが「これじぁ~、無病息災とはなるめぇ~なぁ~」とあきらめ顔になる。その七種の日曜日だからなのか、東海道線電車は思ったより空いていた。

    ところが東銀座駅を降りると、ここは新橋演舞場に向かうひとと人で溢れていた。それも近頃では、歌舞伎も出し物によっては若い観客が目立っようになった。老人ばかりの歌舞伎では、この先が思いやられていた。特に、あのコロナ流行時の空席ばかりだったのには味気なかった。

    今夜の出し物は「平家女護嶋」だった。チラシにも、近松門左衛門歿後三百年であって「朱雀御所の場」は歌舞伎公演としては二百年ぶりだという。二百年というなら、このじじいが観ているはずもないから、あれこれ場面を想像する楽しみが膨らんだ。それに、あの見続けた吉右衛門の「俊寛」を團十郎が、どう演ずるかにも興味があった。

    芝居の幕が上がると、そこはもう團十郎一家のワンマンショーであった。そこは全編を通して成田屋らしい、客を喜ばせる仕掛けが詰め込まれいた。なによりも團十郎の俊寛・常磐・実盛の三役と早替わりも見せ場だった。大きくなったひな鶴のぼたんに観客が見とれた。牛若丸の新之助が馬上にあって、小雪からやがて吹雪にと変化してゆく景色の中を、やがて颯爽と平泉を目指す場面は印象的であった。

    歌舞伎はとやかく言わずに、日常の憂さを観ている時間だけでも忘れて、楽しみ楽しまされればいいと思っている。

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