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「この国のかたち」


     
  「この国のかたち」 

     令和4年12月25(日) 
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  • 数日前に藤沢駅の南にある市民ホールまで彫刻展をみにいった。このところの「じじい散歩」は手抜きが始まっていた。人恋しいわけでもないが、師走の街を歩いてみたいという衝動もあった。藤沢駅には南と北側に、それぞれ2階フロアーとでもいうのだろうか遊歩道や広場(自由通路)が設けられている。そして土・日ともなれば、地元の野菜が売られていたりさまざまなイベントが開催されている。

    じじいが「手抜き散歩」と書いたが、この自由通路南の遊歩道を一周し、今度は北側に回って広場を一周する。これだけでも早歩きをすれば結構な運動量にはなる。だが知らない路地や藤沢の名所旧跡を訪ねないからサボっているようにみえる。そんな「手抜きのじじい散歩」と卑下してみたが、これだってやらないよりはマシと開き直ってみる。

    師走の街の風情を楽しむなんて風流なことを言ったが、混雑している通りを年寄りが歩くには結構気を使わなくてはならぬ。時々「なんで?」と思ったり「どうして?」と思ったりすることに出くわすこがある。左右がはっきりしない通路などでは肩がぶつかることもある。いや、どうみてもぶつけられたこともある。

    数日前に妻の手を取っての散歩の時に、足がふらついて信号待ちしている人に軽く肩が触れたことがあった。お詫びしようとして振り返ると、その人は睨みつけ「なんでぶつかるんだよ」と小声ではあったが怒りの表情をした。じじいは「ごめんなさい。年寄りなもんで、ついふらついて肩が当たりました」とお詫びした。しかし、その人は無言でじじいばばあを追い抜いて歩道を突っ切っていった。

    師走だからであろうか、世の中が不景気だからだろうか、世界のあちこちで争いが絶えないからだろうか、それとも鬱積した世情が人々の心を荒ませているからだろうか。こんな空気はわが住む里だけではないようである。つまり藤沢に限ったことではなく、毎朝毎夕の通勤時間に肩がぶつかったと大声を出す人がいるという。これもある種政治の責任かも知れないと言いたくなってしまう。

    慌ただしい師走だからと諦めてもいるが、こんな気分だからか久しぶりに司馬遼太郎氏の「この国のかたち」を引っ張り出して読んでみたくなった。そんなじじいの気持ちを察したのか、富士山までもが重苦しい雲に押しつぶされそうであった。

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