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「今日の富士山」 09:NO10 [今日の富士山]

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  今日の富士山 2009:4 NO10

                    平成21年4月1日(水)~平成21年4月10
日(金)

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  • 平成21年4月1日(水)
    暗い、今朝は雨である。

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    数日前からベランダのハナモモが咲いている。1月には老木のようなボロボロの幹に精彩がなく、もう枯れてしまったのかと思っていただけになおさら美しく見える。

     しばらくはベランダに咲くハナモモの淡き花弁に手を触れてみる
     淋しさを押し隠せんかはぐれ鳥雲を切り裂き翔けて行くなり

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    今日は娘の誕生日である。
    親子3人と義理の妹が揃って、片瀬海岸のレストランで食事をした。食後鎌倉の段蔓の桜でも見ようと出かけたが、ここの桜もまだ見ごろではない。2人は鎌倉を散歩するというので車から降ろして、妻と私は腰越回りで家に戻った。

    やはり胸苦しさがあるので安静がよいだろうと仏像彫りもがまんした。
    部屋の窓から空を見ると、さっきまで晴れていた空がまた曇った来た。すると芥子粒のような鳥が、その空を横切った。まるで自分の姿を見たような気がして慌ててシャッターを押した。

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  • 平成21年4月2日(木)
    一時見えていた富士は、やがて見えなくなった。

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    と思ったら、時間の経過とともにくっきりとした富士が見えてきた。
    まだ胸苦しさがつづいているので散歩に出る気にもなれない。そこで久しぶりに仏像彫りをはじめた。

    昼食を済ませて、甲子園の決勝戦(清峰高校×花巻東高校)を見ていると急に発作が起こった。どうも食後は血流が胃の方にばかり流れるので、そのために発作が起こるのだろうと自己診断した。
    舌下錠を飲んでしばらくすると落ち着いてきたので、甲子園野球(清峰高校の優勝)を見終わってから仏像彫りをはじめた。

    午後からは荒彫りの作業であったから力仕事である。

     青空に取り残された浮雲のやがて形は移ろいしまま
     おし寄せておっかさぶって富士の雲萎えゆく心奮い立たすか
     落ちて行く焼け焦げながら落ちてゆく富士焼きつくす赤き太陽


                    P1070506.jpg

    また発作が起こった。

    青空にぽっかり浮かぶ雲を見ていたが一向に治まるとも思えない。つづけて発作が起こったことは今までになかったことなので少し不安になる。
    そこで主治医に電話をして、「長時間心電図記録計」を装着してもらうことにした。ついでに2種類の新しい薬を出していただいた。

                    P1070510.jpg

    医者に行く以外は家を出ないから、見るものはベランダからの富士山だけである。

    嫌だね・・・。
    このごろ滅法夕焼け富士が好きになっている。
    この真っ赤な夕焼け色は、もし鬼籍に入ったとしても思い出せるものだろうか・・・。

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                    P1070518.jpg

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    10数枚撮った写真の中から、この3枚を選ぶのには苦労した。

  • 平成21年4月3日(金)
    桜は今日あたりから満開の便りとか、今年も九段の千鳥ヶ渕の桜を見に行きたいと思っていたが無理をしない方がよいかも知れない。

    よい天気で暖かいというから、これからますます富士はくっきりと見えてくるのだろう。

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    妻は友人に誘われて、平塚の不動院の枝垂桜を観に出かけるという。
    その平塚(市教育会館前の公園)では、突然変異の大島桜の雄蕊のはなびら化した珍しい桜が満開だと、今朝の「朝日新聞の湘南版」に載っていた。

     気にしつつ桜観るとて吾一人取り残されて仏像を彫る
     のんびりと妻の土産の草餅の香りひろごるひと時の安
     滲むよな茜の空に光りつつ飛行機雲の切り裂いて行く
     
    やはり晴れて富士が美しい。
    それにしてもこのブログを書くまでは意識もしていなかった富士を、こうして毎日見つづけたことで実に多くの新しい発見があった。

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    最近ではなんの変哲もない空だって、そこに富士があると信じているだけで飛行機雲にだって風情を感ずることができる。

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    1枚撮ったから今日はもうよいだろうと思いながらも、窓から見た夕焼けがきれいだと、また撮りたくなるから困るのだ。
    でもご覧になる方には退屈だろうと思うので、いま少しは写真技術を学ばねばならぬと反省をすることもあるのだが、それも億劫なのである。

    これが書籍なら叱られるであろうが、ここでは退屈な人にだけご覧いただくということでお許しいただきたい。

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    長時間心電図記録計を装着しているので、いつも通りに過ごさなくてはならない。いや少しは付加をかけた方がよいだろうと、昨日のつづきの荒彫りをした。

    ところがどうしたことだろう。力仕事をしても、食後であっても昨日までのような胸苦しさがないのである。
    単純な私は、薬が効いて来た、もう治ったのだと安心した。
    しかし、心電図記録計を外しに医者まで数百メートル歩いたところで、また発作が起こった。

    不安が倍化して恐怖に近いものを感じていた。

  • 平成21年4月4日(土)
    富士の右側にぽっかりとした雲が浮かぶと雨になる。

    幼い頃に古老から聞かされた言い伝えを、今朝は天気予報官が語っていた。その雲は我が家からよくは見えないが、今日は夕方から雨だという。

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    朝から、なんとか歩いてみたいと思っていた。
    「朝日新聞の湘南版」に新林公園内に移築完成した「旧福原家長屋門」の記事が載った。

    これだと決めて外に出た。

    ところが100mも歩かないのに息が上がり胸苦しいのである。帰ることもできたが、しばらく立ち止まっていると楽になった。数百メートル歩いてはまた立ち止まるということを繰り返した。それでも歩いてさえいればなんとか境川に到着できるのである。ただ1kmを歩くのに1時間もかかってのことである。

    境川沿いの桜はほぼ8分咲きであったろうか。もう食事をはじめている人もいるし、今夜の花見の席取りシートも並べはじめられていた。

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    珍しく妻にも見せようと見上げた空に桜が咲いた。だが今夜は雨がふるのだろう。

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    なんとか新林公園に移築完成した「旧福原家長屋門」の前に立つことができた。
    いつもならなんということもないことであるが、来られるかどうかに不安があったので、こんなことでも達成感があった。

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    だからようやく完成した建物が素晴らしいとは思うのだが、それ以上の感慨もない。長屋門を裏に抜けると、見慣れた旧小池邸の裏山に今年も山桜が見事に咲いている。

    これも妻に見せようと1枚写真を撮った。
    このようにいつもしないことをしているのも、ここまでなんとか歩いて来られたことへの感謝であろうか・・・。
    人間なんて、なんのことはない結局自分のことだけなんだ。

            P1070554.jpg

    旧小池邸の脇の草むらにもうシャガが咲いていた。

    ヒメシャガの薄紫もよいけれど、この清楚なシャガもうつくしい。

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    帰り道は少し楽に歩けた。
    人の身体も機械と同じで、始めは慣らし運転をしたほうがよいのだろうと漠然と考えていた。

    こんな私でも、少し気弱になって少しやさしくなれるかもしれない。

  • 平成21年4月5日(日)
    体調が悪くとも富士と桜は気にかかる。昨日、誤報道のあった北朝鮮のテポドン発射も気にかかる。

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    このあたりでは1番の桜が観られると思っているのが「大庭城址公園」である。昨日の境川桜の8分咲き報告で、妻も「大庭の桜」を観たくなったのだろう。

    「朝のうちに、ちょっとのぞいてみましょうか・・・」と声をかけて来た。

    駐車場に入れる時間は9時前であろうと出発した。
    いつもの駐車場は健常者は入れないということで、引地川親水公園の近くに誘導された。そのお蔭で、引地川沿いの七部咲きの桜並木を散策することができた。

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    薬が効いてきたのだろうか胸苦しさが消えていたので大庭城址公園の坂を上った。
    この広場の桜はほぼ満開で、はらはらと散る花びらもある。

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    愛犬チワワも久しぶりに長距離を歩いたために目が虚ろである。

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    この公園で1番豪華な桜の前で、二人と一匹はしばらく見とれていた。
    同じように、同年輩の夫婦連れが数組等間隔に並んで惚けた顔をして、今を盛りに咲く花に見とれていた。

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    そこからカメラのフォーカスを元に戻していると、隣で妻が「今年の花見は、これで満足・・・」と言って立ち上がった。

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  • 平成21年4月6日(月)
    このところ毎日が花便りばかりで、富士がかすんでしまっている。

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    町内会役員名簿がメールで送信されてきた。妻は「体調が悪いのだから、辞めたらどうか・・・」というが、判断がつかぬ内に再任名簿が仕上がってしまったのだ。

    まあ「辞めることはいつでもできる」、ここはしばらく様子を見ることにしよう。

    このこととは別に、今日は大磯に行くことになっている。ところが自分で決めておきながら、なんとなく出かけるのが億劫になっているのは体調のためばかりではないようだ。

    大磯の国府本郷交差点近くの「うろんや」に着いたのは1時過ぎであった。この店の入口からは先日全焼した旧吉田茂邸が正面に見える。目の前にある小さな公園も桜が満開であった。
    海が近いから海鮮のパスタがお勧めというのでいただいた。なかなか本格的な味で、たまには寄ってみたい店になりそうであった。

    なんでもコーヒーの水は丹沢の水を汲みに行くというこだわりを持つ店主だけに、次回のパスタがまた楽しみになる。

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    食後、今度は近くの大磯城山公園前の道を左に入り、東海道線の下をくぐったすぐ近くにある「エピナール」というスタジオに寄ってみた。

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    この車に乗せてもらったが、店内にあったファッション誌に載った車であった。

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    この「エピナール」は、古いヨーロッパ風の各部屋に、これも古いヨーロッパ調の家具類が置かれてあって、行ったことはないが17~19世紀のヨーロッパを思わせる佇まいがある。  
    オーナーは内装や家具作りの職人だというが、ここのスタジオの各部屋は素朴な手作りとなっている。
     
              
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    どの部屋もまるで隠れ家に迷い込んだようで、オーナーのしたたかな作戦と遊びこころをのぞいたようで楽しかった。
    ホールはカフェーにもなり、結婚式や各種のイベント会場としても毎週の金土日は使われているのだという。

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    こういう商売もあるのだと感心しながら帰ったのであった。

  • 平成21年4月7日(火)
    花曇で見えなかったり、晴れていたとしても富士の見えぬ日が数日もつづいている。

    昨夜は夜中に目が覚めて、眠れぬままにPCやメールを打っていた。同年輩の仲間が集まると、「よく眠れない。夜中に目が覚めてもう眠れない。いくら早く寝ても4時には目が覚めてもう眠れない」などの話題となる。
    私は、「あっちへ行ったら永久に眠れるのだから、今の内は起こしておいてくれるのだ・・・」ということにしている。

    「眠れないと悩むよりも、眠れないことを楽しむべきだ」と吹聴しながら・・・、やはり今日も眠い。

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    2日前に妻は、大庭城址公園で「今年の花見は、これで満足・・・」と言って立ち上がったはずなのに、「きょう鎌倉の段蔓の桜を観に行きます・・・か」という。

    私も、「うん」とだけいう。

    鎌倉の若宮大路段蔓の二の鳥居に着いたのは10時過ぎであった。やや葉桜になったとはいえ、桜吹雪に大勢の人盛りであった。

     開花より寒き日つづき紅の濃し今年の桜観ておこうとす
     華やぎし源氏ヶ池の桜花やがて散りゆき絶えて音なし
     散りいそぐ平家ヶ池の桜花清き水面に流れ咲きにし
     尋ねても探してもなき経る年の見返るところ鉄の井は


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    人の少なくなった時でないと上手く桜が撮れない。その時を狙ってシャッターを切ると、今度は人が少なくて淋しい桜になってしまう。

    なんとこの世はままならぬ。

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    ここの源氏池でも、ようやく人の去った頃合を狙って音のない写真が1枚撮れた。

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    同じ源氏池を角度を変えて、今度はアオサギを撮り込んでみた。
    アオサギを大きくすると桜が貧弱で、桜を大きく入れるとこんなにアオサギが小さく貧弱になる。

    「鎌倉宮への道の桜がよい」と妻に言ったが、「今年初めての八幡様だからお参りしたい」という。若宮側から上って参拝し、祖霊社側の階段を下りて舞殿に戻った。

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    平家池の水面には、散った桜の花びらが今度は池で咲いていた。

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    食事でもして帰ろうと小町通に向かった。

    なんと横大路が小町通に曲がる角に、ずっと探していた「鉄の井(くろがねのい、鎌倉十井の一つ)」があった。この角を何度通っているのだろうか・・・。
    なんども同じ言葉を繰り返している私を妻は、「なにをブツブツ言っているのだろう」と不思議がる。

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    中華料理のニ楽荘で食事をし、納言で田舎汁粉を食べ、妻の買い物の間を私は鎌倉画廊で時間を潰していた。
    江ノ電でのんびり帰ろうというので、電車に乗り込むとすぐに居眠りをした。鎌倉高校前で目が覚めると海が見えたが、またそのままま寝てしまった。

    藤沢駅に着いて、人混みと一緒に吐き出されるとまた胸苦しくなった。
    これは相当、なにかよくない兆しかと不安になる。

    この時期の太陽が、富士よりもはるかに右側に没することに驚いていた。

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  • 平成21年4月8日(水)
    4月4日にぼんやりの富士を見てから、もう4日間も富士を見ていない。

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    だいぶ前から知人に差し上げると約束していた2体の仏像の顔が、まだ気に入らないのである。
    何度直しても思うような顔が出てこない。

    しばらく放っておいたが、今日はそれを取り出して手直ししてみた。まあまあの出来となったので、後は数日かけて最後の仕上げに取りかかれそうである。
    それにしてもいつも不思議に思うことだが、どんなに頑張っても出来ないものはできないのである。作品は私が彫っているのには違いないのだが、私を超えたなんらかの力が働いた時でないと、ほんとうに気に入った作品とはならないのである。

    素人の私でもそんな瞬間に出会うことがあるのだから、きっと技を極めた職人や芸術家にあっては、このような情況といつも対峙しながら、人知を超えたところで作品が生み出されているのであろう。

  • 平成21年4月9日(木)
    ぼんやりとしてはいるが、5日ぶりの富士山である。
    いつもなら連休前に咲きはじめるはずのベランダのランディが、もう数輪ほころんでいる。

    ところで「ランディ」と書いたが、同じような花を花屋で見てみると、実にいろいろな名前がつけられてある。ほんとうの名前が知りたくて、PCや植物図鑑で調べたが私のベランダで咲いている花とは異なるものであった。
    この花が気に入って数年前に花屋で買った。手入れも簡単だし、増やすことも簡単で、それでいて豪華で綺麗だし、花期も長いときているから、ついつい30cmほどの鉢が10鉢にも増殖しているのであった。

    今年から咲いている時期だけでも、親しくしている友人に貸し出そうと思っているが、さてこの花の名前を聞かれたらどうしょうか・・・。

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    午前中は仏像彫刻をしていた。午後は散歩の予定であったが、出かけようとした時にまた胸苦しさを覚えた。

    そこでまた部屋に戻り仏像彫りをしていたが、ベランダで咲き出したあの「ランディ」のことが気になった。

                    P1070677.jpg

    妻に確かめてみると、「買った時についていた、花の育て方が残してあります」という。

    そのカードの後ろには、「ベラルゴニウム・エンジェルアイス・シリーズ」と印刷されてあった。
    表には右から、ビオラ・パーガンディ・ライトとあり、わが家のベランダで咲きはじめた花には、やはり「ランディ」と書かれてあった。

    ベラルゴニウム・エンジェルアイスが正式の名前のようである。これらは同じ種類のものであるが、花の咲き方や特徴から、それぞれにニックネームをつけたものであろうと考えた。

    でも面倒だから、わが家ではこのまま「ランディ」で押し通すことにした。

                    P1070681.jpg

  • 平成21年4月10日(金)
    昨日よりも空が青い。それだけ富士もよく見える。

    早朝の3時ごろに突然太腿が攣った。
    今までにも10kmぐらいの長い距離を数日つづけた後で、なにかの都合で数日歩けなかった時などに、このように足が攣ったことがあった。

    このところ発作が再発してから10日ほど、妻との桜見物以外にはほとんど出歩くことがなくなっている。それにしても疲れた時に攣るのは分かるが、疲れが取れた時期になってから足が攣るということがよく分からない。

    ここ数年歩くことが健康のためと努力したが、歩くことがかえって健康に悪影響があるのではないかと思いはじめている。
               
             P1070684.jpg

    数日前、今年退職した友人の家族が料理屋で食事をするらしいという情報が入った。これも若い知人の女性が、最近ネールサロンの店を開設したとの情報も入った。

    たまたま小田急線のとある駅が2件とも一緒であることから、手紙に花を添えてプレゼントでもしようと考えた。
    ところが、その目的地は駅から10数分も歩けば行けるところであったが、途中何度も休まなくてはならなかった。
    こんな苦しい思いをしてまで出かけてくることもないのに、もしここで倒れでもしたら相手にだって迷惑がかかるかも知れないのに、苦しさに立ち止まりながらも「私は一体なにをしているのだろう」と苦笑いをしているのである。

    思い出してみると、このような経験をしたことが過去にも何度もあった。雪の降る日に裸足で庭に飛び出して、一抱えもある庭石を頭上に持ち上げ雪の中に立ち尽くしていたこともあった。20歳の春に大学進学が決まったが、入学金などの納入金を工面するあてもなかった。都内での生活の基盤も見つからなかった。雪の中で石を持ち上げたところでなんの解決もないことは理屈では分かっていた。それなのにその時は、そうでもしないことには自分の中で怒り狂っている不条理をどうすることもできなかった。
    その後も解決できそうにない壁にぶつかる度に、その時その時のやり方で自分をとことん苛め追い込んでみた。その行動によって直接解決できたことはないが、その異常と見える行動の後では不思議にその難問が小さくなったり消えて行くのを感じていた。
    はじめから解決できないような問題だから煩悶していた。ただ自分の中で心のあり方が、問題の先端を折れにくいやわらかなものにすることができたのだろう。

    もしかすると、自分にだけ都合よく解釈していた自己診断ではなく、専門医の精密検査を受けなければならない時期に来ているのかも知れない。




         
             


             





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