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「今日の富士山」 09・NO2 [今日の富士山]

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  今日の富士山 2009:1月 NO2

                    平成21年1月11日(日)~平成21年1月20
日(火)

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  • 平成21年1月11日(日)

    撮りつづけるつもりはなかったけれども、まだ「今日の富士山」はつづいている。
    いつでもやめれられると思うから気楽なのである。

    この富士山の美しさは、元旦と2日目以降のものであった。

             
             P1060610.jpg

    今年はじめての仏像彫刻の稽古日である。そして新年会がある。

     若者のごとく言い争いし夜なれば楽しかる時間(とき)
    の過ぎ行く
     仏像を彫ることで結ばれし仲間なりせば言える言葉もあり

  • 平成21年1月12日(月)
    「富士は晴れた日のみを見るものかは・・・」。
    しばらく待っていたが西側から東に越えようとする雲によって、富士はおぼろにしか見ることはできなかった。

             P1060614.jpg

    昨日の「朝日新聞」の湘南版に、「墨の芸術、海外文化と融合」との見出し記事が載っていた。今ではもう交流はないが、その古い知人の作品展が片瀬海岸にあるギャラリーで開かれているという。

    散歩の途中で立ち寄って祝意を述べてから、そのまま鵠沼海岸に向かった。ところが引地川河口あたりは風強く波頭が砕けて砂が舞い上がり、伊豆の山々はけぶっていた。

                    P1060617.jpg 

    朝から富士を追っていた。
    白波の立つ海に富士の雄姿と、空には鳶をあしらってみたいとシャッターチャンス待っていた。

     ふたたびは逢えない人よ陽だまりを背中にうけていそぐ家路を
     くづれ落つ波にのまれて沈みゆく藻屑とならん恋の行方は

                    P1060645.jpg 

    夕暮れてから、気になる富士をもう一度見たいと思った。そして残照の中に富士があった。

                   P1060652.jpg 

  • 平成21年1月13日(火)
    今朝はごく自然に、あたりまえのように澄ました富士がいた。

                   P1060656.jpg 

    手広から常盤を過ぎて長谷に出る。風強き稲村ヶ崎で富士を見て、腰越回りで龍口寺に着いた。

     道沿いの枯れたる草の風に鳴る根本かそけき若萠のあり
     星の井の虚空菩薩の縁日の読経の声もありがたきかな
     残照の七里ガ浜の波がしらかなたに白き富士の峰見ゆ
     腰越のしらす屋どこかとたずねらる吾もしばらくここで暮らせば
     なつかしき音を聞かせて江ノ電の日干し魚の店先を過ぐ

                   P1060675.jpg  

               (江ノ島と富士の間に、西田幾多郎記念歌碑)
                         七里が浜夕日漂ふ波の上に伊豆の山々果て知らずも 寸心
                   P1060686.jpg 

  • 平成21年1月14日(水)
    偶然今朝は富士に月と洒落込んだ。
    先ほどから餌をさがすか鳥たちが盛んに画面に飛び込んで来るが、この景色には蛇足である。 

                   P1060702.jpg 

    江ノ島道で蜜蔵寺、洲鼻通りで江ノ島に渡り、井上饅頭を買って鵠沼の天金通りで家路に着く。

     陽だまりの水面ぬるむや境川いくたびとなくボラの跳ねたり
     ひとり行く江の島道の密蔵寺富士見大師の坐(おわ)するところ
     西行のもどり松とぞ伝え来し屋並みの陰にひっそりとして
     散策になれたる道のかたわらの広重の絵に歩みとめいつ
     ぞんざいな口ぶり漁師目の奥の立ち去りがたきやさしさのあり
     江の島の井上饅頭六つ買う妻のよろこぶ顔の見たさに
     
             (密蔵寺の富士見大師)
            P1060712.jpg

               (江の島入口地下道にある、広重の「諸国名所百景 相州七里ガ浜」の浮世絵)
            P1060716.jpg

  • 平成21年1月15日(木)
    富士の雪は、麓の何合目まで積もっているのであろうか、これだと御殿場近くまでありそうに見える。

    見た目よりも富士がぼんやり見えるのはカメラの性能であろうか、それとも技術の未熟さからであろうか。

           P1060725.jpg

    愛犬のチワワと自転車散歩。

    鵠沼海岸から、相模川(馬入)河口の柳島までつづくサイクリングロードを走る。しかし、茅ヶ崎の漁港から先は工事中であったから断念した。

     風紋を崩しつつ行く茅ヶ崎の浜より見ゆる赤き江の島
     寒風の吹きぬけて行く岸壁の老いたる漁師立ちつくしおり
     沖を見る老いたる漁師烏帽子岩視線の先に船影のあり
     ようやくにカモメと共に舫い綱老いたる漁師背を丸め去る
     夕映えの海にひかりのさんざめくマラソンびとは黒々として
     
  • 平成21年1月16日(金)
    不思議だ。
    今年になって見ることのできなかった富士は9日の1回だけである。

            P1060727.jpg

    今日は西部地区の防犯パトロールの日である。

     老いた背の防犯の文字見えかくれ午後の陽射しのやわらかにして
     仏像の細部なかなか見えかたし出した手先に老眼鏡(めがね)
    触れたり
     めずらしく妻の声して二人してことばもなくて夕景ながむ 

            P1060728.jpg

  • 平成21年1月17日(土)
    明日、明後日は雨だとの予報である。

           P1060729.jpg

    今年はじめて県立フラワーセンターに行く。

     かなしさをたえて春待つ寒ざくら白き五弁の花を咲かせて
     あざやかに黄色と白に咲き分かるその名を問えば雲南黄梅
     ふくいくとかおる白梅玉牡丹思えば今日はセンター試験か
     さびしくも池の睡蓮冬枯れてひとりベンチで物思う女(ひと)  
     桶にさす玉縄桜三つ四つ春まだ浅きにほころびており
     みちたりて夕日に向かう家路なれ日記がわりの和歌を指折る

             
    (かんざくら さくらそう科 中国四川省)
           P1060731.jpg

            
    (うんなんおおばい もくせい科 中国)
           P1060732.jpg

            
    (玉牡丹)
           P1060735.jpg

            (玉縄桜 ばら科)
           P1060739.jpg

    (註)
    朝日新聞湘南版(平成21年2月19日)に、「極早生の玉縄桜」の記事が載った。

           P1070028.jpg

  • 平成21年1月18日(日)
    夕方から雨になるという。
    しばらく待っていたけれども今朝の富士は、それが裾野なのか、それとも雲なのかがはっきりしない。

     ガザ地区の停戦なるか水温む

           P1060742.jpg

    町内の清掃活動があった。

  • 平成21年1月19日(月)
    今朝のうちに雨は上がって、空は青いがまだガスっていて富士を見ることはできない。
    午後散歩に出ようと思っているが、どこかですっきりとした富士を撮ってきたいものである。

           P1060743.jpg

    今日は4月初旬の陽気だそうだ。
    朝から富士が見えないので、その富士にちなんで戸塚区にある浅間神社まで歩くことにした。
    暑い。遊行寺坂でもう汗が噴き出した。

     息あらぐ遊行寺坂のかたわらの群れて咲きたる水仙の花
     石垣と格闘するか春土竜(もぐら)そっとつまんで放つ叢(くさむら)
     
    ぼってりと紅き椿の三つ四つ道に落として行きし人あり
     境内の巨木の洞(うろ)のみにくさよ幾星霜にたえて来たれば  [浅間神社三首]
     両脇を孫にいだかれ階(きざはし)をのぼる老婆の祈りは深し
     車道から社の杜(もり)のしずもりに入りて御霊とともに安らぐ

                (遊行寺坂の水仙)
                 
                   P1060750.jpg

         (石垣と挌闘しているモグラ)
           P1060746.jpg

                (原宿の浅間神社、横浜市指定の古木シイ)
                   P1060748.jpg

    終日富士を追いつづけた。
    もうあきらめかけた5時過ぎに、ほんの15分ほどその姿を見せてくれた。

                   P1060753.jpg

  • 平成21年1月20日(火)
    やはり富士は見えない。
    しかし、待つほどにほんの一瞬だが、薄い雲のなかに、これまた薄っすらとした富士が見えた。

                   P1060755.jpg

    町内の防犯パトロールがあった。昨日の4月上旬の陽気から、また冬に戻った寒さである。
    思えば今日は大寒である。

     風邪予防寝るときタイル首に巻け母の教えを六十路に偲び
     夏は梅干(うめ)冬は干し柿食すべしその母逝きて四年過ぎたり

     




           






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