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「藤沢ぶらぶら」2 [令和6年 (2024)]



  「藤沢ぶらぶら」
 
          令和6年3月8日(金)
   
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  • どうせ歩くなら、なにか目標や目的があった方がよい。そこで少し遠回りにはなるが、介護用品の店に寄ることにした。妻を連れ出す時に、簡便な車椅子があったらいいなと思っていたらである。あれこれ見たが、じじいの要望にピッタリ合うものはなかった。

    この遠回りの効用で、何時もの道とは異なる道で藤沢駅に向かった。駅に着くと14時33分であった。家を出るとき明子から電話があって、この時間に藤沢に着くと連絡があったからである。天気もぽかぽか暖かいので、喫茶店より駅前デッキの大楠の木の下のベンチに腰掛けた。

    大理石のベンチはお日様のお陰で、不思議にぽかぽかあったかだった。世間話やとりとめのない話をしてると彼女は「ひとり暮らしに便利な食べ物をお持ちしましたよ」と包みを手渡してくださる。ふらりと来て、ひと言二言喋って、何事もなかったように帰って行く。そんな自然な、あたかも親娘のような付き合いのできる関係に、なんともいえない穏やかなものを感じていた。

    食べたいのに食べたら旨くないのだが、それでもなにか食べないわけにもゆかず、駅地下の名店街をぶらぶらしながら、食えそうなものを何品か買った。地下道からさいか屋に回り、表に出ると歩いたために熱くなった身体に風が心地よかった。この通りの左側には戦前作家の倉田百三が住んでいた。この倉田百三の孫が元同僚の教師だった〇〇百平氏であることはあまり知られていない。

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