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かつての同僚たち      

 
    かつての同僚たち      
    令和元年11月19日(火)
                               
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  • 通された〇車園楓の間の床の間には、円覚寺慈雲ご老師ご揮毫の「紅葉滿山川」の掛け軸がわたしたちを出迎えてくれた。禅語大辞典によると「こうようさんせんにみつ」とは「眼前に広がる錦秋の風景そのままが悟りの妙景となる世界」とある。さらに、その床の間には〇車園の庭に咲く縁起の良い小福桜が活けてある。楓・紅葉の禅語の書・小福桜によって、今日の客を迎える〇車園の心づくしが嬉しかった。

    この席には、いつもの見慣れた人や初めて仲間に加わった人もいるが、かつては口角泡を飛ばして教育談議に明け暮れたものであった。そんな旧知の仲だからこそ、乾杯の音頭を皮切りとして、座は数十年前の職員室に戻ったようであった。だが教育現場を離れて久しく、悠々自適の日々を過ごす人たちでもあるから、語る話題は豊富だがいささか現実離れもしている。一方では、いまだに趣味やボランティアで忙しく動き回っている人もいるから、ここでの話題はますますバラバラなのが愉快である。

    女将さんと若女将が中学部時代の思い出話をしていると、そのご主人が会議を抜け出して顔を出してくれた。ここまでくると座はすっかり元勤務先の空気に満たされ打ち解けて、話題は天下国家から政治・歴史・文学へと発展と言いたいが、まとまりもなく延々と続くのである。断っておくが「ここでの放談が世間に役立つか」といえば、役立つ話などなにもない。つまり、なんの役にも立たないからこそ、勝手放題の言いたい放題だから仲間の話は楽しいのである。

    絶えることなく笑いがつづいたが、たちまち3時間あまりが過ぎてお開きにしようということになった。ふと思いついてみなさんを、かつての勤務先の歴代校長や教職員が、忘年会や新旧歓送迎会で利用した大広間に案内した。ついでだからと〇車園コレクションの中から「江の島に関わる江戸の錦絵」を鑑賞した。恒例となった光悦垣の前で四代目女将候補を抱っこさせてもらって解散となった。

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