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「水温む」



   「水温む」    
    令和3年2月26日(金
                               
      ~~~~~~~~~~~~~~
  • 境川の水面がキラキラ光っている。その光の中を一羽のカルガモの懸命に泳ぐのが見えた。あたりに親鳥も兄弟たちも見えないがまだ巣立ったばかりのようでもあった。この若鳥も独り立ちして羽も逞しくなり、やがて仲間たちと北の国を目指して飛び立つのであろう。

    境川に架かる東橋からしばらく川面を覗いていた。長い閉じ篭りがつづいていたから、そこまでやってきた小さな春を見つけた喜びがあった。このままこの川沿いの江の島道を下れば海に出る。だが今日は鎌倉方面に向かわねばならぬ。

    久しぶりの自転車だからか、それとも体力が落ちたからか小さな起伏にも息が切れる。そんな時に道端の水仙が「春だよ」と教えてくれる。この水仙があったから自転車を止めたのではない。悲しいことだが息切れしたから水仙の写真を撮ったのだ。

    坂を下ると右側を東海道線が走る。左手には緑の木々と芝生に囲まれた薬会社の大きな研究所がつづく。その真っすぐな広い歩道を学生さんや老人ランニングマンがじじいを追い越してゆく。どうしたのだろう。小さくなってゆくマラソンびとを追いかけながら、

    春なのにお別れですか
    春なのに涙がこぼれます
    春なのに春なのに
    ため息またひとつ

    と中島みゆきさんの歌の一節が頭を過った。

    ※医師から「えっ踏み台昇降は30分以内で無理のないように、もし立ち眩みや胸が苦しくなったらすぐ連絡してください」と言われた。またまた禁止事項が追加された。しかし、じじいは若い時からずっと自転車操業続きだったから、こうして今ではアシスト自転車に乗り換えたのだ(笑)。

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