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大磯に「深山幽谷」があった。 



    大磯に「深山幽谷」があった。    
    令和2年12月28日(月
                               
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  • じじいが大磯駅から出ると、すでに〇美くんの愛車モーガンが待っていた。車高の低いモーガンに足腰の弱ったじじいが「よっコラショ」と乗り込む。今日の大磯訪問の目的の一つ「さぬきうどん」の暖簾を潜った。〇美の「なににしますか」と聞く前に「今日は天婦羅付きの冷たいうどんの大盛が食べたい」と自分から切り出した。しこしこと腰のあるうどんを一気に掻っ込んで「今年も元気で、こうしてうどんの食い納めができた」と大満足であった。

    ここは〇美の奥さんの実家だから、そのお母さんと弟さんとしばらく四方山話をさせてもらった。すると〇美が「家に行く前に、みかん山までモーガンドライブしませんか」と誘ってくれた。サプライズ大好きじじいがモーガンの助手席に乗り込むと、大磯城山公園を抜け星槎高校前の上り坂をモーガンは快適にエンジン音を響かせる。突然「谷戸」という地名が見えたと思ったら、そこはもう別世界に入っていた。巨大な木々が道を塞ぎ、車1台がやっと通れる道を落ち葉を蹴散らせて走る。起伏に富んだ谷戸は、右に左に複雑に入り組んで谷の水も清らかである。〇美が「来年はゲンジボタルを見に来ましょう」と呆然としているじじいに語り掛ける。ここは「もう大磯なんかではない深山幽谷」に迷い込んだような気がしていた。

    道路が突然きれいに整備されていると思ったところに目的地のミカン園の売店があった。親しくしているらしい〇美がじじいを紹介すると「この大根と人参をお持ちください」と気さくに語り掛けてくれる。お土産にと〇美のくれたミカンも重かったが、欲張りのじじいはありがたく頂くことにした。モーガンが走り出してしばらくするとレイクウッドゴルフクラブがあった。そこから下りで、またまた谷戸の迷宮に誘われた。再びじじいは「大磯にこんな素晴らしい自然があったんだ」と2度目の感動であった。そろそろ夕日も傾きかけたので「奥さんに会いに行こうよ」と誘ったら、なんと〇美が「もう1カ所きれいなところに行きましょう」と誘うのだった。

    枯葉が道や轍まで埋め、冬枯れの木々のトンネルを抜けると、辺りの開けて見晴らしのよい高台で車を停めた。なんとここからは富士が大山の稜線や箱根の山々までもが一望できる。目を転ずれば大磯の海や眼下に広がるみかん畑が、またもじじいに「ここは大磯だろうか」と思わせた。夕日が没する西の山々を見ていると、無粋なじじいでも思わず涙がこぼれそうになる。その夕日に見送られながら、家で待っておられるという奥さんに会いにモーガンくんは快適に走る。

    奥さんの淹れてくれたコーヒーが美味い。じじいは今日の感動を奥さんにも語っていたが、夫婦とは不思議なもので「蛍の出るころに、またいらしてください」と同じことを言う。じじいは図々しくも、奥さんの手作りキムチもいただいて彼らの家を後にした。大磯駅前で、〇美のモーガンが走り去るのを見送りながら、いただいたみかんと大根と人参と奥さんの手作りキムチの重さに、これが「愛の重さだ」と感謝しながら東海道線に乗った。

    ※とてもとても今日の感動を書き尽くすことなどできない。この大磯の谷戸巡りがしたい。讃岐うどんを食べたい。みかん山にも行きたい。そして蛍にも会いたいと思っている。


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ネオ・アッキー

明けましておめでとうございます
今年こそは、笑顔の一年でありますように。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
by ネオ・アッキー (2021-01-03 06:17) 

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