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甲斐の山々


   甲斐の山々           
                         
                                 平成29年12月25
(月)
                               
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  • もう「帰らない帰れない」と思っていたふるさとの山々が今日ばかりは暖かく迎えてくれた。若い頃は室生犀星の「小景異情」の世界と自分とを重ねて悶々としたこともあったが、そんな思いももうはるか遠くにかすんでいた。

    ちょっとの風はあるものの、冬日に包まれて亡き母の十三回忌法要が菩提寺で執り行われた。亡き母を偲びながら「来年は戦死した父の法要をしよう」と決まった。

    午後は扇山と富士の頂だけの見える墓地に男兄弟3人と連れ合いで蘇東坡を納めて焼香した。食事会を終えてぼくだけ独り駅に下る坂道で、山崎方代の歌を口ずさんでいた。

    一日でも浮世にながくとどまりて父母を偲んで泣いてやりたい

    (筆者註) 
    その方代は山梨県右左口村の農家の生まれで、8人兄妹の末っ子だったそうです。兄姉の5人が早世したものですから、父は彼に「生き放題、死に放題」とのことから「方代」と名づけたというエピソードは凄い。その方代は南方の戦地で、砲弾の破片により右目の視力を失いました。戦後は放浪生活を続けていましたが、その彼を歌人であり師でもあった吉野秀雄は「中途半端な男じゃない」と評したそうです。その瑞泉寺の歌碑は「師の吉野秀雄より大きいのは失礼」とやや小ぶりに建てたところに、方代の方代らしさがあるのです。

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yam

新年明けましておめでとう御座います。

今年も昨年同様よろしくお願いします。
by yam (2018-01-05 09:14) 

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